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>>513
【ニュース解説】コンビニの成人誌販売、これまでやめられなかった本当の理由


◆ コンビニの成人誌販売、これまでやめられなかった本当の理由

セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンが成人向け雑誌の販売をやめると発表した。
今年8月をめどに、チェーン本部が加盟店に推奨している取り扱い商品のリストから外す。

訪日外国人客の増加など社会の変化を踏まえた判断とみられるが、むしろなぜ、これまで販売を続けてきたのか。
事情は極めてシンプルだ。

成人誌が「コンビニ店舗を経営するうえで重要商品だった」(東京都内のコンビニ加盟店オーナー)のだ。
まずは単価の高さ。

コンビニで売られている成人向け雑誌の価格は1000円にのぼることも多い。
日本フランチャイズチェーン協会によると主要コンビニチェーンの平均客単価は629.2円(2018年、全店ベース)。

1冊売れるだけでも大きな売り上げになる。
もちろん立地によって売れ行きは異なる。

都心のオフィス街ではあまり手に取られることがない。
だが「住宅街近くの店舗では高齢男性が買っていく。ビジネスホテル近くや、地方の幹線道路沿いの店舗でもよく売れる」(同)。

購入に後ろめたさをともなうためか、成人誌は他の商品と一緒に買ってもらえる利点もある。
大手チェーン本部の商品担当社員は「コーヒーや新聞と一緒に買われることが多い」と話す。

「(惣菜と一緒に買われることの多い)おにぎりや(食べ物と一緒に買われることの多い)お茶と比べても、併売率は驚くほど高い。単品で買っている人はほとんどいないのでは」

■ 「弁当は腐るが、エロ本は腐らない」

人手不足が深刻さを増すなかでは商品管理の手軽さも魅力だった。
1時間刻みで消費期限が定められる弁当・惣菜や、最新号が次々納本される週刊誌などと違い、成人向け雑誌は同じ商品を比較的長く棚に置いておける。

「弁当は腐るが、エロ本は腐らない」。
ある加盟店オーナーは、本誌の取材にそう話した。

コンビニチェーン本部は、こうした現場の声を考慮。
販売中止には極めて慎重な姿勢を貫いてきた。

17年には千葉市で成人誌の表紙にカバーをつけて販売する取り組みも計画されたが、関係者の反対で中止に追い込まれている。
逆にいえば、今回発表した方針転換は、コンビニをめぐる環境がそれだけ変化している現実を映し出している。

コンビニの顧客層がかつての独身男性から、女性やファミリー層にまで広まって久しい。
訪日外国人の爆発的な増加により、公の場に成人誌が堂々と置かれていることへの違和感の指摘も増えた。

「かつては外せない商品だったけれど、最近は無しでもやっていけているかな」。
今回の発表を受けて、本誌にそう語る加盟店オーナーもいた。
「そもそも私の信念で、もう長らく店舗に置いていない。納本されても、すぐに送り返してきた」というオーナーも。

単身世帯や共働き世帯の増加をはじめ、コンビニは常に社会の趨勢をとらえ、そこにあわせて商品やサービスを変化させることで現在の姿にまで進化を遂げてきた。
成人誌の取り扱い中止も、その一つと考えるべきなのだろう。

日経ビジネス(藤村 広平/日経ビジネス記者) 2019年1月23日
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/012300024/

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